研究会について

精神神経内分泌免疫学(PNEI)研究会は,日本におけるPNEI研究の発展と社会への貢献を目指し,大平英樹 先生(名古屋大学)を代表者として2004年度に発足しました。顧問に寺尾恵治 先生(独立行政法人医薬基盤研究所)をお迎えし,さらに運営委員として山田冨美雄 先生(大阪人間科学大学),津田 彰 先生(久留米大学大学院),余語真夫 先生(同志社大学)など,日本の心理学領域の中でも様々な分野でご活躍されている先生方を中心に活動しています。

精神神経内分泌免疫学とは

PNEIとは,Psychology (心理学),Neurology (神経学),Endocrinology (内分泌学),Immunology (免疫学)の頭文字をとったものです。この名称は,Ader, Felten, & Cohenが1981年に著した「Psychoneuroimmunology」に由来しています。この著書の出版がPNEI研究の始まりとされており,この後に「Brain, Behvior, and Immunity」誌が刊行され,90年代より盛んに研究が行われるようになりました。PNEI研究は,その名が示す通り,心理,神経,内分泌,免疫などの生体内の恒常性維持機構の相互作用を研究する領域です。
下図にあるように,生体のそれぞれの系は独立ではなく互いに相互作用することで環境への適応を可能にしています。

PNEI研究は,伝統的にバラバラの機構として研究されてきたそれぞれの系を,独立したものとして捉えるのではなく,各系同士の相互関係(“クロストーク”)に注目し,生物を理解しようとする研究領域です。