日本心理学会第73回大会 ワークショップ

精神神経内分泌免疫学におけるナチュラル・キラー(NK)細胞

企画者    三重大学  磯和 勅子
企画者    名古屋大学  大平 英樹
司会者    三重大学  磯和 勅子
話題提供者    東京大学(日本学術振興会)  木村 健太
話題提供者    新潟青陵大学短期大学部  宮崎 隆穂
話題提供者    藤田保健衛生大学坂文種報徳會病院  松永 昌宏
指定討論者    医薬基盤研究所・霊長類医科学研究センター  寺尾 恵治

  免疫系は、細胞および分子レベルで自己と非自己(抗原)を認識し、システマティックに抗原を排除する、生体防御システムである。近年、心理学的要因と免疫系機能との関連性が注目され研究が進んでいる。本ワークショップでは、自然免疫系の代表であるナチュラル・キラー(NK)細胞に関する研究の最新の動向に焦点を当てる。NK細胞は非特異的に抗原に作用可能で、特にガンやウイルス感染に対する防御機能を担っている。まず、急性ストレス事態におけるNK細胞の反応とそのメカニズムについて、NK細胞とその測定技術に関する基礎知識を含めて報告する(木村)。次いで、ソーシャルサポートの心理学的教育介入がNK細胞に与える影響について、応用研究におけるNK細胞の意義を含めて報告し(宮崎)、さらにポジティブ心理学の立場から、快感情における脳とNK細胞の機能的相関について報告する(松永)。それらの知見に基づき、NK細胞研究における問題点と展望について討論する(寺尾)。