第22回研究集会

第22回の研究集会は九州大学(福岡)で開催されました。

梅雨の晴れ間での開催となり、活発な議論が交わされました。

ご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。


はじめに、主催いただいたの小崎先生(九州大学芸術工学院)から開会の挨拶をいただきました。


「母乳中のコルチゾールに関する検討」
田中先生(大阪市立大学)から母乳中のコルチゾールという新たな視点からの研究をご紹介いただきました。母乳中のコルチゾールについては研究数も少なく、未知のことが多いとのことですので、今後の研究が期待されます。


「情動誘発時の脳活動の個人差:性格特性と遺伝的要因からの考察」
崔先生(九州大学)からは、情動誘発刺激に対する前頭部α波非対称性(FAA)の個人差を、遺伝子多型(オキシトシン受容体)と質問紙で測定される性格特性から説明しようとする研究を紹介いただきました。情動に関する実験研究について大変貴重な情報をご提供いただきました。


「安静時心拍変動性が生理的急性ストレス反応に影響する」
大平先生(名古屋大学)からは、近年、急性ストレス反応の個人差の要因の1つとして注目されている安静時心拍変動性(heart rate valiability)の有用性を実証する研究を紹介いただきました。この研究は本会の共同研究企画セッションの第1号の研究です。国際会議でも発表され、海外の研究者から好評を得たこともご報告いただきました。


共同研究企画セッション
「労働者コホートを利用した精神神経免疫学的研究:
    研究計画の紹介」

前回に続き、今回も共同研究企画として、中田先生(産業医科大学)から研究計画についてお話しいただきました。中田先生は長らくアメリカのNIOSHで研究員をされたご経験を活かし、ご帰国後に我が国でコホートを形成され、疫学研究を開始されました。国際的には心理学領域でも疫学の手法を用いた大規模な研究が珍しくない状況です。この企画セッションから新しいPNEI研究が生まれることが期待されます。