日本心理学会第81回大会 公募シンポジウム

心理学と疫学との融合:健康に対する生物心理社会的アプローチ

企画代表者/司会者    山田 クリス孝介  (慶應義塾大学)
企画者    井澤 修平  (労働安全衛生総合研究所)
話題提供者    中田 光紀  (産業医科大学)
話題提供者    島ノ江 千里  (佐賀大学)
話題提供者    内田 由紀子  (京都大学)
指定討論者    大平 英樹  (名古屋大学)

    健康には様々な要因が相互に影響を及ぼし合っており、健康に関連する諸問題に対して有効な対策を立てるためには、生物心理社会的な要因が心身に及ぼす影響とそのメカニズムを明らかにする必要がある。この問題を解決するため、心理学では主に健康心理学や生理心理学の分野で様々な生理指標を用いた研究が行われてきた。一方、疫学では従来の影響要因に加えて社会的要因に重点を置いた社会疫学が行われている(例えば、社会経済格差)。健康心理学や生理心理学の分野に疫学の方法論を、また疫学に心理社会的な要因を導入するというように、生物心理社会的アプローチで異分野が融合すれば、極めて有益な知見を得られることが大いに期待できる。本シンポジウムでは、各人の専門分野に異分野の方法論等を取り入れた研究を推進している3名のシンポジストから研究を紹介し、心理学と疫学の融合の可能性と相互での展開や今後の展望について議論する。